認定こども園の4つの種類とは?各類型の違いや共通点を解説

近年の法改正により新たな保育・教育として誕生したのが「認定こども園」です。そして認定こども園はさらに4つの類型に分けられており、ゼロからの立ち上げをするケースや、すでに保育所や幼稚園として運営しているケースなどにも対応できるようになっています。

以下で、この認定こども園の種類について解説していきます。

 

認定こども園には4つの類型がある

「認定こども園」とは、保育と教育を一体的に行う施設です。つまり、保育所と幼稚園の両方の性質を持った施設であると言えます。

保護者のニーズや地域の実情に応じて選択ができるよう、多様なタイプが設けられています。それぞれ所定の基準を満たすことで認定を受けることができますが、認定こども園の認定を受けたとしても保育所や幼稚園はその位置付けは失うわけではありません。

 

具体的には、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の認定こども園に分類されます。

 

幼保連携型について

「幼保連携型」は、認定こども園としてスタンダードとも言えるタイプです。保育所的機能、そして幼稚園的機能の両方を持つ単一の施設として機能します。そのため学校でありつつ児童福祉施設としての法的性格を持ちます。

 

幼稚園型について

認可された幼稚園が、保育時間を確保するなどして保育所的機能を持ったタイプが「幼稚園型」です。幼稚園に通っている方の保育のニーズも満たすことができます。

保育所的機能も持ちますが、学校としての法的性格を持ちます。

 

保育所型について

「保育所型」は、幼稚園型とは逆で、認可された保育所が幼稚園的機能を持った認定こども園のことを言います。保育所の場合、保育の必要性が認められなければ入園できないとされているところ、保育所型の認定こども園となることで、保育が必要な子ども以外であっても受け入れることができます。この場合、幼稚園としての機能も持つ児童福祉施設としての法的性格を持ちます。

 

地方裁量型について

より多様なニーズに応えることができるよう、「地方裁量型」と呼ばれる認定こども園もあります。これは、保育所や幼稚園いずれの施設としての認可も受けていない地域の施設が認定こども園となる場合が想定されている類型です。この類型を上手く活用することで、地域別の実情に応じたサービスの提供が実現されるでしょう。

 

認定こども園の比較

同じ認定こども園の枠組みであっても、類型別に特徴が異なります。そこで相違点は何か、逆にどの点では共通しているのかを整理していきましょう。

 

相違点

1つは「職員資格」です。

例えば幼保連携型の場合保育教諭の配置が必要です。この保育教諭には、保育士資格に加え幼稚園教諭としての免許を持っていることが求められます。

その他の類型については、満3歳以上に関して「保育士資格と幼稚園教諭の併有が望ましい」、満3歳未満に関して「保育士資格が必要」とされています。なお、満3歳以上であっても、教育相当時間ではない、保育に従事するときには保育士資格が必須とされています。

 

もう1つ大きく異なるのは「認可基準」です。特に設置の背景に応じてチェックすべき基準が変わってきますので要注意です。園舎や園庭の面積、園庭の設置方法などが厳密に指定されています。保育所から移行する場合には保育所基準をクリアしていること、幼稚園からの移行であれば幼稚園基準をクリアしていれば良いとされていますが、新設の場合には保育所と幼稚園を比べたときの高い水準でクリアしなければなりません。

 

共通点

逆に、保育や教育における基本的な目標については類型別に違いはありません。

具体的には「乳幼児に対する保育や教育は人格形成における重要なものであること」「園生活を通じて生きる力の育成に努めること」「義務教育の基礎を養うこと」などはいずれも共通の基本事項です。

 

また、施設内での全体的な計画に関しても同様に捉えられています。

例えば、「学年ごとの教育週数は基本的に39週を下回らないこと」「1日あたりの教育時間は4時間が標準であること」「保育が必要な子に対する保育・教育の時間は1日あたり8時間が原則であること」などです。

 

その他、生活リズムに配慮した保育・教育内容の展開や、年齢別の発達の特性に配慮しつつも異年齢交流なども実施することなども、施設の類型による違いはありません。いずれも保育および教育を行う施設ですので、タイプが違うといっても園での過ごし方が大幅に変わるというものではありません。